監修:順天堂⼤学医学部 膠原病内科 名誉教授 髙崎 芳成 先生
2023年 1月更新
1カ月当たりの医療費が高額になったとき、負担が大きくならないように、自己負担額の上限が年齢や所得に応じて定められています。(自己負担限度額)。自己負担額が自己負担限度額を超えた場合、その超えた額が加入の医療保険から支給されます。この制度を高額療養費制度といいます。
おひとり1回分の窓口負担では上限額を超えない場合でも、複数の受診や、同じ世帯にいる他の方(同じ医療保険に加入している方に限ります。)の受診について、窓口でそれぞれお支払いいただいた自己負担額を1ヶ月単位で合算することができます。
その合算額が一定額を超えたときは、超えた分を高額医療費として支給します。
※ただし、69歳以下の方の受診については、2万1千円以上の自己負担のみ合算されます。
過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当となり、上限額が下がります。
高額療養費制度について詳しく知りたい方は、現在加入されている健康保険組合やお住まいの市区町村役場等へお尋ねください。通院されている病院の窓口でも確認できます。
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(閲覧日:2024年7月5日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
全国健康保険協会(協会けんぽ)「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」(閲覧日:2024年7月5日)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/
参考:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」
疾患の種類やさまざまな条件によって、国の制度のほかに、都道府県・市区町村など自治体の負担による医療給付なども行われています。
障害者手帳を持っている人は、所得などに応じて医療費の自己負担が軽減される場合があります。詳しくは、「お住まいの市区町村の担当窓口」にお問い合わせください。
健康保険組合や共済組合などの医療保険の中には、自己負担が軽くなるように、法律で定められた給付に上乗せした付加給付を行っているところがあります。詳しくは、「ご加入の医療保険窓口」にお問い合わせください。
悪性関節リウマチで指定難病と認定された人は、都道府県から医療費の助成を受けることができます。詳しくは、「最寄りの保健所」にお問い合わせください。
本人や生計を一にする家族の分を含めて、1年間に自己負担した医療費(治療上必要なもの)が一定額を超えるとき、税務署に確定申告すると税金が戻ってくるのが医療費控除です。
前年1月から12月までに支払った医療費が10万円を超えるとき(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)、課税所得額から控除され、税金が確定精算されます。
ただし、医療保険から支給された給付金や生命保険会社等から支払いを受けた医療費を補てんする保険金などは、医療費申告額から差し引かれます。 医療費控除だけなら、過去5年間にさかのぼって申告でき、確定申告の期間以外でも1年中受け付けています。
申告には、ご加入の医療保険が発行した医療費通知や医療機関・薬局の領収書が必要となりますので、必ずもらって保管しておきましょう。詳しくは「最寄りの税務署」にお問い合わせください。