監修:順天堂⼤学医学部 膠原病内科 名誉教授 髙崎 芳成 先生
2023年 1月更新
生物学的製剤は注射(点滴または皮下注射)で投与します。投与の間隔は、薬の種類によって異なり、週に2回投与するものから、2ヵ月に1回投与するものまで、いろいろとあります。
また、点滴の注射は病院などの医療機関で行いますが、皮下注射は患者さん自身で注射することができ(病院で注射することも可)、自宅などで注射することによって、通院回数を減らせるなどのメリットもあります。注射する際の痛みが少ないペン型の皮下注射もあります。
重い感染症にかかっている方などには投与することができません。また、皮膚に異常が見られる場合に投与を見送られることもあります。
生物学的製剤を投与できるかどうかは、血液検査や結核の検査、胸部や関節などの画像検査などから医師が判断いたします。詳しくは医師にご相談ください。
血液検査や結核の検査、
胸部や関節などの画像
検査などで投与を判断
【投与不可】
アレルギー反応(アナフィラキシーを含む)や
感染症(肺炎や結核、B型肝炎など)が疑われる場合は投与不可
生物学的製剤は免疫の働きを抑える薬ですから、注意をしないと肺炎や結核などの感染症が起こることがあります。また、投与したときに、薬が体質に合わないために、アレルギー反応が起こることがあります。
生物学的製剤は高い効果が期待できますが、一方で感染症の発生がみられており、投与前は勿論のこと、投与中も感染症の有無に十分に気をつけることが大切です。
生物学的製剤を投与していると、感染症時に炎症症状が弱く出ることがあり、注意深い診察をして(症状や聴診など)、感染症を積極的に疑って検査をする必要があります。感染症が見つかれば生物学的製剤の投与は見合わせ感染症の治療を最優先します。