監修:順天堂⼤学医学部 膠原病内科 名誉教授 髙崎 芳成 先生
2023年 1月更新
関節リウマチの初期症状は、関節の炎症に伴うこわばり、腫れと痛み、発熱などです。病気が進行すると関節の軟骨や骨が破壊され、関節の脱臼や変形などが生じるようになります。さらに関節破壊が進むと、日常生活や家事、仕事に支障が出て介助が必要になるなど、生活をする上での機能障害が進行します。
一般に医師は、関節リウマチの進行度を関節破壊と機能障害の程度から判定します。
関節破壊の進行の程度は4段階のステージに分類されます。
ステージⅠ(初期)はX線検査で骨・軟骨の破壊がない状態、
ステージⅡ(中等期)は軟骨が薄くなり、関節の隙間が狭くなっているが骨の破壊はない状態、
ステージⅢ(高度進行期)は骨・軟骨に破壊が生じた状態、
ステージⅣ(末期)は関節が破壊され、動かなくなってしまった状態です。
関節破壊の進行度(ステージ)
<イメージ図> Steinbrocker の病期分類よりまた、関節破壊の進行に伴う日常生活の障害(機能障害の進行度)は、4段階のクラスに分類されます。
クラスⅠ(ほぼ正常)は健康な方とほぼ同様に不自由なく生活や仕事ができる状態、
クラスⅡ(軽度障害)は多少の障害はあるが普通の生活ができる状態、
クラスⅢ(制限)は身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要な状態、
クラスⅣ(不能)はほとんど寝たきりあるいは車椅子生活で、身の回りのことが自分ではほとんどできない状態です。
関節破壊の進行度(クラス)
米国リウマチ学会の機能障害度分類より
関節破壊の進行度はX線検査を行わないと分かりませんが、機能障害の程度は、患者さんご自身である程度判断することができます。